ぼくの目の前はあおくあおく沈んでいった 

昧爽に茂る光の苔も 

生き返ったあなたも 

濃藍の斑を縫って 

緑青の日照りを浴びて

あおくあおく沈んでいった


汀に竦んだ足元から

滔々と軋んだ潮の音が

ぼくのさびしさいっぱいにした

水のよう満ちたさびしさは

淋漓して うつし世はまた群青に沈む


ぼくの目の前は あおくあおく沈んでいった

轟く君らの漣を

聞いてはぬかるむ足元だ