2015-01-30 ■ 茫漠衒いなく笑う白皙を染める赤く染める滴り 醸し出す芳醇星雲の香り 柑橘の苦みあなたの手は透きとおる血は真っ赤だ赤も透きとおる現し身は闇だ闇も透明に溷濁と流麗と泥濘と滔々とこれでは燃えぬ気化せぬ灰にならぬ頭蓋も肋もそのままだ泥濘に埋まったままだ掘り起こして何になろう息は絶え絶えだ梢の霜に襤褸がまとわるおぼろな月は 静謐な死だ瞼の裏に浮かばせたノスタルジアの鐘の音が地平の霞に放たれた愛はここから息衝いて私の窓を開け放つノスタルジアの鐘の音が地平の霞に放たれた愛はここから死に絶えて私の窓を軋ませる