淋しさは
心に染み入ります

しかし不思議と不幸ではありません
穏やかな風の音を感じます


動かぬ水面の絵が
じっとこちらを睨んでいる

淋しさは
時に心の深淵から泉のように湧いて出ます

うろたえずに
淋しさに身を寄せることが
きっとぼくを豊かにしてくれる
そう信じています






途方もない銀波の美しさに
いつか見たあなたの 物憂げで艶やかな横顔が
ふっと浮かんで消えていく


心は何かを口ずさんでは
まるで何も語らない

心は何かに許されたくて
もぞもぞと布団の中を彷徨うように
夢の中からなかなか出て来ない



途方もないことを
愛すること
轍の後に
心はまた置いてけぼりです
みんな行ってしまった
だからこそまた
振り返っていたいのだと思う